島原手延そうめんの始まりは、寛永14年(1637)島原の乱以降、約350年の昔から。乱の影響で周辺人口が激減し、農村復興のために幕府が行った移民政策によって移り住んだ人たちにより、「そうめん作り」が伝えられたといわれています。
その出身地は、「小豆島」とも、奈良県「三輪」とも諸説が語られていますが、いずれも由緒正しいそうめん名産地にその端を発していることは周知の事実です。そして、当時の城主の保護を受けながら、研究を重ね、技術を磨いて、歴史と伝統を誇る名品「島原手延そうめん」が今日まで受け継がれてきました。
雲仙岳の肥沃な土地に産する良質の小麦。そうめん作りに適した温暖で乾燥した内海性の気候。生地仕込みに最適で、麺がシャキッと仕上がるのを助ける、雲仙岳山麓からの豊富な湧き水や清冽な地下水。
これらの諸条件に恵まれて、「島原手延そうめん」は今日のような"おいしいそうめん"として味を誇ってきたのです。
そうめんは古いものの方がおいしい!?
「一概にそうとは言えません。作り方の問題ですから。」島原手延そうめんは衛生管理の行き届いた工場で20の工程をこなして作りあげます。薄力粉で作られたそうめんはたんぱく質が少ないため一年以上寝かせないとおいしくならないのに対し、厳選した中・強力粉で作る島原手延そうめんは"作りたてでもコシの強さと麦の香りが両立していておいしい"……そうめんの中の逸品「島原手延そうめん」、ぜひ末永くご愛食くださいませ。
島原手延そうめんの作り方はまず、その日の気温、湿度を考え小麦、塩、水を練り合わせ団子を作り円盤状につぶします。それに綿実油をぬり、ひねりをいれながら数回のばします。
5mm程度に細くなった麺を2本の棒でさらにのばし、翌日には長さ3mくらいになるまでのばし吊り下げて5時間程干します。干し終わった麺は、均一の長さに切り揃えられます。丹念に作られる島原手延そうめんはまさに職人の技と伝統の作品です。
夏は冷たくして、アッサリ、ツルツルの喉ごしが嬉しい。
薬味を変えたり、つけ麺やぶっかけ麺にしたり、つゆの味を変えたりすれば、いくら食べても飽きない"そうめんバラエティ料理"が楽しめます。冬は、句の野菜と一緒に煮込んだアツアツ「煮麺」もおいしい。魚貝類や野菜と一緒に炒めた「チャンプル」もイケルお味。
年中365日、そうめんの日。楽しい食卓の定番です。